生きてるって何だ

8月に一番見られたツイートはこれだった。

 

『HEART GEAR』の1-4巻を読んだ。人間の少女ルゥとギアと呼ばれるロボットたちの話。読んでいるとときどき痛くて生きていると思った。

 

今のところ人間はルゥ一人しか出てきていない世界で、コアユニットだけが残っている、育ててくれたゼットを復活させるため、ルゥは生体反応を隠してクロムとロックと旅をしている。そこでよく生きてるって何という話になる。

250年以上生きている元人間のヘンリックは死生観についてギアと語り合い「いやあ長生きはするものだ」と言っていた。私はそれが印象に残っている。人間(この場合はギアだけど)は予想外のことをする。

 

8月には病気や障害の映画を一つずつ見て、違うなと思っていた。病気や障害はメインではない。『最強のふたり』のようにただ人と人が出会って物語が始まっていくのがいい。ギアも病気や障害も一つの設定でそれが物語を面白くするけれど、基本的には人と人の話であるべきだ。同じく8月に読んだ『この音とまれ!』では、部活って指導者で決まると思っていたけど、それはそうなんだけど、周りの人の動きや相互作用も大事だと思わされた。映画ではそういう出会いは突然起こる。平凡な人にも起こる。平凡な方が、味があったりする。

 

妹が妊娠した。お腹の中の小さいものはまだ味を知らない。痛みも知らない。痛いから私は私が生きているって分かるけど、日に日にいろんな器官ができていく者は、本人が痛みを知らなくても、生きているように見える。こちらの目が丸くなる。ルゥも生体反応がある人間だから髪が伸びていた。夜になったら寝ていた。美味しいと思っていた。生きてるって変化しているってこと、反応があるってことなのかもしれない。