物事がいいように回り出すためには上手くいっていない期間が必要な気がする

6月に一番見られたツイートはこれだった。

 

佐々木典士の『ぼくたちは習慣で、できている。』を読んだ。意志力について説明した1章がすごい。編集者の文章だと思う。自由時間は1日7時間以上あると逆に幸福度が下がる。

 

この本は、『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』の次に出された作品である。そもそも部屋をちゃんと掃除できるのであれば作者はミニマリストにはならなかったが、できないので物を少なくした。作者にはそれがよくて、その結果気付いたことがたくさんあった。そして他のことでも心の状態が悪くなるようなことは最初から回避するようにした。たとえばお酒もやめている。この次作は、そういう風に自分にとって快適な状態を見極めていった結果、身に着いた習慣の話だ。

 

6月には、ほぼ日で、マシンガンズ滝沢秀一さんの連載もあった。父が記事を送ってくれた。滝沢さんは腐っていたときにテレビでサンドウィッチマンを見て、サンドイッチマンが漫才の日本一なら、自分はゴミ清掃員の日本一になろうと思った。それから「問題に追われている」状態から「問題を追う」ようになった。

奇跡のリンゴ木村秋則さんは土が大事だと気付いて自然栽培を成功させたが、母がテレビでそれを見て、そういえば土が大事という光景は前にも目にしたことがあったという場面で、なんでそのときに気が付かなかったんだろうねと言った。

 

佐々木さん、滝沢さん、木村さんのエピソードから思うのは上手くいっていない時期の長さって大事な気がするということだ。私は引っ越しを重ねる中でミニマリストになったが、早く辿り着いてしまうと考えない。大学院生が友達に賢く生きてきたんだろうと言われてそれは最大の皮肉の言葉だったと言っていた。賢く生きられるって長い目で見るとよくない。竹中直人の『役者は下手な方がいい』での「出来ないことの豊かさ」という言葉も思い出される。カンブリア宮殿でも物語には困難な場面が入っている。

 

異世界ひろゆき』の中でひろゆきは「不安になること自体は誰にでもあることですしぃ…思考の深さに繋がるなら良い個性だとも思うんですよね。でも不安のあまり思考停止しちゃうのは良くないなと…」と言っていた。私も自分自身は悩んでいるときの方が面白いなと思う。悩みたくもないのだけど悩んでいないとあまり考えない。ただなんかつまらないなと思ったら守りに入ってしまっているということだから攻めに転じるようにしている。それも実験が面倒っていう期間の長さの先に、いっそ実験を増やしてしまうと上手く回すのに頭を使ってそれを回せると快感でむしろ楽しいと発見した産物かもしれない。できる、できない、考える、考えない。意図的にできることばかりでない気がするけど、やっていたら見えてくるものは何にでもあるのかもしれない。